深夜に道に迷い、捜索願が出ていた女性(86)に声をかけ、交番まで送り届けたとして、折尾署は19日、芦屋町の八木美咲さん(39)、山形奈美江さん(36)姉妹に感謝状を贈った。管内では昨年、認知症が疑われる高齢者の行方不明事案が21件起きており、3人が亡くなっている。
2人が女性を見かけたのは2月23日午後11時ごろ。買い物のため、奈美江さんの運転で北九州市若松区乙丸のゴルフ場近くを通りかかった。女性は信号機の下で周りをきょろきょろ見回しており、約30分後の帰途にも女性の姿があった。
「声かけるよ。何もなかったらそれでいい」と美咲さん。女性は名前は言えるものの住所がわからない状況だった。交番へ行くと、午後7時過ぎに家族から110番通報があった女性だという。2人が見かけた場所から10キロ以上離れた自宅から、「散歩に行く」と外出したきりだった。
同署管内では今年1、2月だけでも6件の高齢者行方不明事案があった。2人は「声をかけてよかった。異変に気づくことが大事だと思った」。感謝状を渡した小川道和署長は「寒い中、発見が遅れたら大変だった。よく声をかけてくれました」と話した。(狩野浩平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル